すい臓がんの症状と治療
すい臓がんは、かなり病気が進行するまで症状がなく、早期発見が難しい病気です。
また、すい臓という位置の複雑さゆえに治療が困難であるため、死亡率が高い病気でした。
手術中の死亡率も高く、予後も良くなかったのですが、現在では手術の指針が定まり、安全な手術が行われるようになってきています。
というのも、すい臓は、少しでも残っていれば、本来の機能のかなりの割合を果たすことができる臓器なのです。
消化機能も落ちる心配がないので、積極的に手術を行うようになっているのですが、手術ができるのが30パーセント程度なのです。
術中照射という方法が、最近の治療法として比較的良い成績を上げています。
開腹して、直接すい臓とその周辺に放射線を照射する方法です。
血管に入り込んでいる癌に対して行われる血管置換術は、あまり効果が期待できないそうです。
早期発見によって、癌がまだ小さいうちに手術が行われる例も増えてきていますが、予後はあまり良いとは言えないようです。
癌と診断された後や、手術後5年間経過した時に生存している人の率のことを、5年生存率と言います。
成人の場合は、5年経過すれば、後は生存率に大きな変化が見られないため、これを指標として用いることが多いようです。
早期発見によって、手術が可能だった場合、すい臓がんの5年生存率は60パーセントを超えます。
すい臓がんの早期発見が困難なのには、他にも理由があります。
それは、すい臓がんには、これといった症状がないということです。
個人差がありますが、すい臓がんの約半数の人に腹痛が起こることがあります。
しかし、残りの半数の人には症状があまりありません。
その後、黄疸が現れ、食欲不振、背中の痛み、腰痛、全身倦怠感、嘔吐などが生じることもありますが、これらの症状は、すい臓がん特有の症状とは言い難いのです。
肝臓がんの場合も、これと言った特有の症状はなく、すい臓がんと同様に、体がだるい、腰痛が続く、お腹が張る、食欲不振などの症状があります。
そして、体調の悪さに気づいたときには、かなり病気が進行していて、転移した先で症状が出て、やっと病気に気づくということが多いそうです。
すい臓がんは、少しずつではありますが、画像診断法が進歩し、早期発見の例もみられてきています。
映像検査には、超音波検査、内視鏡的胆すい管造影検査、CTスキャン、血管造影検査などがあります。
今までは、あらゆる検査を行って、全部の消化器を調べたうえで、消去法でようやくすい臓がんにたどりついたそうです。
昔に比べればかなりの進歩といえますが、自分で症状を自覚して、すい臓がんを疑ってかからないことには、これらの映像検査を受けたりはしないですよね。
そのように考えると、すい臓がん早期発見への道のりはまだまだ険しいものです。